2012年11月15日

再開予定

 長きにわたって更新できませんでした。地震の前から、様々な事由で時間が取れなくなったこともありましたが、書くパワーがしばらく枯渇したということもあります。出来れば年内に再開したいと思っているのですが、最近は新譜を買うことは殆ど無く、もっぱら旧録音のたたき売り価格の箱もの(1枚当たり300円でも高いと思ってしまう。200円以下だと嬉しい。)ばかり買っています。しかも、中に入っている録音の半分はすでに持っているものだったりします。まあ、それも、音楽愛好家的日常のひとつとして綴っていくのも良いかもしれません。再開の節は、よろしくお願いいたします。また、放置中にご訪問頂いた方々にお礼とお詫びを申し上げます。


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2009年05月04日

セレブリエール ストコフスキー バッハ

LINK ストコフスキーの編曲を他の指揮者が演奏したものはいくつかあるが、4枚もCDにしているのはセレブリエールくらいだろう。うち、バッハは2枚。オール・バッハ・プログラムというわけではなく、ヘンデルからハイドンまで混ぜているが、メインはバッハ。第2巻の曲選択のほうがポピュラーな曲が多い。ヘ短調のチェンバロ協奏曲のアリオーソだとか、「目覚めよと呼ばわる声す」に「人の望みの喜びよ」「我、汝を呼ぶ、主キリストよ」という具合。ストコフスキーの演奏自体はもっとすっきりしていたような気がする。

特におすすめは、平均律第一巻24番のプレリュード。昔のNHK FM「名演奏家の時間」のテーマ曲でもあった。やはり弦楽合奏で低音のピツィカートが印象的だったが、あの演奏は若杉弘とN響によるものだった(編曲も若杉だったと思うが確かではない)。

バッハ以外でも、パレストリーナのAdoramus Te Christiとか、バードのソールズベリー伯のパヴァーヌとか盛り沢山。バードのパヴァーヌも昔のNHK FM番組で使われていた(番組名は「FMリサイタル」だったろうか。その時の演奏はコリン・ティルニー)。原曲の演奏も意外にCDが少ない。ギボンズにも同名のパヴァーヌがある。 ボッケリーニのメヌエットだとかハイドンのセレナーデなんかが入ってきてちょっと散漫になるけれど、最後は平均律第一巻2番のフーガで締め。
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2007年10月07日

アントネッロのヴェスプロ

LINK


Monteverdi: Vespro della Beata Vergine 1610 - 濱田芳通、アントネッロ、アンサンブル・オルフィカ (Anthonello Mode AMOE-10007/8)

今年の6月に聖母マリア大聖堂で行われた、目白バ・ロック音楽祭オープニング・コンサートのライブ録音。濱田芳通さん率いるアントネッロによるヴェスプロのCDは既にあったようだ(スタジオ録音か?)。日本人としてはBCJも録音している。

このホヤホヤのアルバム、だいぶ風変りな演奏と言うことも出来る。

西山まりえさんが弾くメルーラのオルガン曲からスタート。崩したようなヴェルスス朗唱に、「ああ、この手で来るのか」と身構える。

アンティフォナを加えて典礼的に構成しているのはカテドラルでの生演奏ということもあってこれでもいいのか。ホールでの最初の録音でもアンティフォナ込みだそうなので、彼らのスタイルなのかも知れない。

アンサンブル・オルガヌムみたいなコブシ込みメリスマを聴かせたりして面白いことは面白いのだが、腕達者な器楽に比べると声の方がどうも散漫な印象。ところどころではっとする効果的な場面もあることはあるのだが、とっ散らかった感じが拭えない。

これでは、ヴェスプロを聴く喜びと言うか満足感が得られないのではないかと心配しながら1枚目を終える。

ところがDisc 2に入り、ソナタの Sancta Maria ora pro nobis、どう言うわけだかフォーカスが効いてくるのだ。空気が違う。世俗にまみれた中から、突然、祈りが立ち上ってくるようだ。そして圧巻はマニフィカート。その導入、Magnificat anima mea には思わず息を飲む。光の効果。まさにカラヴァッジョの時代の音楽である。1610年はカラヴァッジョが死んだ年でもある。その後、カラヴァッジョ流は北方バロックへ影響を与え、レンブラント等につながってくることを思い出す。

器楽、声楽ともにマニフィカト全曲、すばらしい密度とテンションの演奏で、最後に「。」の如くアンティフォナが唱されて終わる。

それにしても一筋縄では行かない人々である。
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2007年10月06日

Cherryholmes賛江

cover photo


人気上昇中のブルーグラス・バンド、Cherryholmes が2作目をリリース。カヴァー写真の過剰なデザインは、ご当地音楽ではよくある事ですのでご了承下さいです。メンバーはみんな家族という、いわゆるファミリー・バンド。

ブルーグラスと言ってもバーボンをストレートでがぶ飲み出来なきゃ聴けないような泥臭い音楽かと思ってはなりません。Cherryholmes は、軽さと渋さ、洗練と泥臭さ、陽気さと陰影を絶妙にバランスした、実は結構ユニークなバンドではないでしょうか。

ブルージーな Black and White から、これぞブルーグラス的無窮動 The Nine Yards へと進んでいくと、スタジオ録音でこれならライブで聴いたら昇天しそうです。

大地のところどころに現代文明がなすりつけられ、どこに行っても似たような郊外の住宅地やショッピング・モール、さもなくばトウモロコシ畑が広がるようなアメリカの田舎が、実は地球上でもっとも詩情溢れる場所ではないかと思えて来ます。

ポピュラー音楽の一分野になっているようなカントリー・ミュージックと比べると、ある種フォーカスを絞られて様式化したブルーグラスの方が、アメリカ音楽の普遍的なコアの部分に通じているような気がします。

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2007年10月04日

ケイジャンゆたりのたり

cover photoEvangeline Made, a tribute to Cajun Music (Vanguard 79585 2)

昨日の Adieu False Heart でケイジャンに開眼したわけではないが、たまたま今日は棚からふと見つけて、あれ、こんなの持っていたのかとプレイヤーに乗せた。リンダ・ロンシュタットとデュエットしていた Ann Savoy がここではプロデュースを行い、様々な歌手がケイジャン・ソングを歌っている。リチャードとリンダ・トンプソン、ジョン・フォガティ、マリア・マッキー、パティ・グリフィン・・・ リンダ・ロンシュタットもアン・サヴォイと2曲。しかも全員フランス語で歌っている。音楽のスタイルは更に田舎風で、リンダとのデュエットのようなフォークっぽい曲より、ズン・チャッチャでゆるーい感じの曲が多い。

ちょっと聴くと、いやあこれは退屈しそうだなあ、勘弁だなあと思うのだが、このたるいノリに身を任せているといつの間にか体が麻痺して時の経つのも忘れ、気付くとCDが停止しているという不思議ダウナー系である。

これを聴いて真綿に包まれるようにのたありとするのは、実は究極のロハス的贅沢なのかも知れない。
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2007年10月03日

ミシシッピの木陰で

cover photoB000FP2IYQLinda Ronstadt, Ann Savoy: Adieu False Heart (Vanguard 79808 2)

ポップ、ロックから始まって、カントリーやメキシコ歌謡のようなルーツ音楽でも独特の存在感を示すリンダ・ロンシュタットのアルバムの中でも異色のタイトル。Ann Savoyとのデュエットでケイジャン・フォークの魅力をたっぷり聴かせてくれる。ギターやバンジョーの音も、カントリーやブルーグラスで聴くものとちょっと違うような気がする。

何より、最初の歌の Adieu False Heart から始まる湿ってブルージーな節回しに心が引きまわされるたり、いくつかのはんなりしたフランス語の歌に安らいだり。ユニヴァーサルなアメリカ音楽にもこれらの要素が確実に一部として流れ込んでいるのだと思わせる、これこそルーツ・ミュージック。

曲自体はケイジャンのみならず、リチャード・トンプソンやビル・モンローのものまで、つまりイギリスのフォークやブルーグラスまで歌っているわけですが、そもそもケイジャンを意識しなくても、このデュエットは他に聴いたことが無い歌の世界を体験させてくれる。

別にジャンバラヤやケイジャン・チキンじゃなくても、いや、芋羊羹でも食べながらのんびりお茶飲んで聴いてみましょう。

cover photoB000H5U0L2国内盤もあります。
posted by BIANCO at 10:08| Comment(0) | TrackBack(0) | Country/Bluegrass | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月02日

いい人なんだけどねえ

cover photoB000K2UFQWBach: Goldberg Variationen - Sax Allemande (Farao Classics B108024)

サキソフォンによるバッハ、今度はゴールドベルグ変奏曲。Sax Allemande という名前の通りドイツ人(たぶん)3人組の演奏は清水靖晃のチェロ組曲とは全く違う世界である。何と言うか、人好きのするバッハ。先ずはサックスの音色自体に起因するのだろう、滑らかで洗練されていながら、牧歌的なボケをかますような風情。毒舌やちょっとしたマジ切れも憎めない。明るく社交的な振舞いの中にも、ふと眼差しに見せる憂いの光。

総じてべきょべきょとした音が軽々と疾走していくのだが、まあ、ほにゃらとした気分になれる。仕事もてきぱきこなして、敵も作らない、ユーモアもあって、いいひと。

バッハは楽しいね。

いい人だよ。いい人なんだけど、ねえ。

けど、ねえ、って、何さ。
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2007年09月29日

身も蓋も無く颯爽と

cover photoB0002IJNNK
Schubert - Symphony in C major "Great" : Bertrand de Billy, RSO Vienna (Oehms OC339)

90年代からパリを中心に活躍し始め、今やウィーンで押しも押されぬ人気を博しているベルトラン・ド・ビリーの初めての交響曲録音であるシューベルトのグレイト。個人的には、この曲に限らずシューベルトは大の苦手で、早く言えば「どこがいいのかさっぱりわからん」状態なのだが、時々手出しをすることもあるのだ。

私にとって「古楽後」であることは、もうこういう曲を聴く時の必要条件になってしまった。巨匠達の昔の演奏は、悪いけれど気の抜けたビールのように感じられてしまうのだ。残念と言えば残念なことだ。

軽々としたテンポで駆け抜ける第一楽章。テンポだけじゃなくて、ノイジーな音やアーティキュレーションもピチピチしてて気持ちいい。楽器のバランスが面白いところがあって、ふと耳がそばだつ。

第二楽章もルンルン気分(死語)のアンダンテ。これなら俺にでも聴ける! 心を込めて歌うよりも、こんな風に素っ気無いくらいの即物的な美音を連ねるほうが、この作曲家の凄味が分かりやすいんじゃないか。

スケルツォ。これも退屈なんだよなあ、と思って身構える。が、始まると悪くない。トリオへの非連続な接続感も刺激的。そして最初のテーマに戻って、終わる前に驚くような処理のフレーズがあったような。さて、ここで終わっときゃいいのに、この後、フィナーレがあるんでしょう? シューベルト、まったくもう、である。

そのフィナーレ。普通の演奏では、もう勝手にやってて、という感じになるところである。盛り上がればいいってもんじゃないでしょ、と言いたくなるところである。ところが、どこかショスタコーヴィチの交響曲の作為的な躁状態すら思い出させるこの演奏は、最後まで耳を離してくれない。

何と、シューベルト退屈人間の私がダレずにトイレにも行かずに聴いてしまったではないですか。しかも、繰り返しもきちんとやってるからか、こんな快速演奏なのに全部で58分以上かかっていて普通より長時間聴いていることになるのだ。それでも退屈を感じなかったのは、決してこの演奏がすっきり爽やか快適演奏だからではない。むしろ、その身も蓋も無い美しさによるものなのだ。
posted by BIANCO at 17:33| Comment(0) | TrackBack(0) | Classical | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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